加齢臭の二大要素 皮脂の酸化とノネナール

コラム

男性の方が一般的に加齢臭が強いと言われていますが、それには大きな原因があります。

それは男性ホルモンの分泌量の違いです。

皮脂腺や皮脂分泌量を増やす働きをするのは男性ホルモンなので、男性ホルモンの分泌量が多い男性の方が、どうしても加齢臭が強くなりがちです。

一方、女性ホルモンは皮脂の分泌量を抑制する働きがあり、したがって女性の方が9-ヘキサデセン酸が作られません。

加齢臭の原因の1つとなるアポクリン腺の量が男女でほとんど一緒なのに加齢臭の出方に差があるのは子のためなんですね。

ただし、女性でも加齢臭が気になる人がいます。

それには更年期に伴う女性ホルモンの分泌量の低下が関係しています。

30歳前後でピークを迎えた女性ホルモンの分泌量は、40代後半に更年期を迎えるまで減る一方です。

かたや男性ホルモンは更年期だからと言って減るわけではなく、相対的に男性ホルモンの働きが強く出てしまいます。

男性ホルモン(テストステロン)の働きである皮脂を分泌するという作用が目立つこととなり、9-ヘキサデセン酸も増加して、加齢臭が強く感じられるようになってしまうんですね。

ただし、9-ヘキサデセン酸自体が加齢臭のもとであるというわけではありません。

この9-ヘキサデセン酸が過酸化脂質により酸化すると「ノネナール」という臭いのもとになります。

ノネナールになるには過酸化脂質が必須なのですが、この過酸化脂質、もともとは中性脂肪やコレステロールといった脂質なのです。

脂質が活性酸素によって酸化したものを過酸化脂質といいます。

これだけ聞くと、活性酸素が悪者のように聞こえますが、もともとは身体に入ろうとする敵を撃退し、体内の細胞を保護する、非常に有益なものです。

適切な数であればこのように身体にとって役に立つものなのですが、増えすぎてしまうと自分の身体の細胞を攻撃するという困った性質があります。

若いうちであれば分解酵素のSODの働きで活性酸素は適切な量を保っているのですが、加齢に伴いその働きは失われていきます。

そうなると活性酸素の働きを止めるものがなくなり、細胞は酸化・老化し始めます。

皮脂が過酸化脂質と変化し、9-ヘキサデセン酸を酸化させることでにおいの原因であるノネナールが発生するという負のループが出来上がるんですね。

過酸化脂質と並んで、「遊離脂肪酸」も加齢臭の原因となります。

内臓脂肪が多ければ血液中の脂肪も増えます。

血液中の脂肪が遊離脂肪酸であり、これが酸化・分解するとノネナールになりますので、内臓脂肪にも気を付けたいですね。

以上は主に40代頃から出てくる加齢によるにおいの原因ですが、加齢が原因ではないにおいもあります。

若くても脂っぽい臭いがする原因とは

40代にはまだ遠いのに脂っぽい臭いがする場合はベラルゴン酸の発生を疑ってみましょう。

古い油のようなにおいがするのが特徴です。

これも脂肪腺から分泌される皮脂の酸化によりできた脂肪酸の一種であり、特に30代の男性に多い臭いと言われています。

ただ、20代30代の女性でも皮脂分泌量が多いと、このベラルゴン酸がにおいの原因になっているかもしれません。

タイトルとURLをコピーしました